ついにこの話をする時が来た。あ、ますです。
「何のこと?」
まぁ聞いてほしい。あ、今日の記事は長いです。
昨年の夏も終わる頃だったろうか…友人たちとのLINEグループトークでも私はこう切り出した。
「今日はうなじの日です。」
友人たちの反応はこうだ。
「うなぎの日の間違い?」
「マッサージ的な何か?」
ノンノン。
私は青く澄んだ空の下、高らかにのぼりを掲げたのだった。
「うなじ脱毛、始めました」
と。
脱毛。
昨年思い立ったのだ。
「綺麗なお姉さんは好きですか?」
その永久不滅のキャッチコピー。
同性だって、綺麗なお姉さんを見れば振り返る。
そうありたいと思うのだ。
では、綺麗なお姉さんとは…?
女子力とは…?
考えて5秒、底なし沼に足をとられる感覚に襲われ白目剥く。
↑この時点で色々マイナスからのスタート確定。
でもね、そうありたいと思ったら目指すのは自由じゃない?
自分の人生、目指すべきことがあるのはいいことじゃない?
きっとただの外見キラキラなんかじゃないんだよね。
外見に気を遣いつつ、内面の美しさも滲みでる人。
私はなんとなく、綺麗なお姉さんの定義付けを、自分なりにしてみた。
自分のコンプレックスをなくして(少なくして)自分に自信を持ち輝く女性。
ちょうど髪が結べる長さになってきた頃だった。
私は昔からうなじの毛が濃いのが嫌だった。
ワキとかソコとかアソコとか、そんな毛達よりも何よりも、自己主張強めなうなじの毛をなんとかしたかった。
「えいや!」と剃りを入れたのはもう遥か記憶の彼方。
自己処理をすると余計に濃くなると、何かで見たような?
でも、一度剃りを入れたうなじは、そりゃもう青ヒゲ危機一髪。
憧れの綺麗なお姉さんと逆行するばかり。
今までは髪を下ろして、青ヒゲうなじをひた隠しだったけど、もうこれからは自分に嘘をつくのはやめよう。
大手脱毛サロンのチラシを見てWebでカウンセリング予約をポチった。
大手脱毛サロンは立地的にも申し分ない、この街の中心部のビルの一角にあった。ビルの一室、施術待ちの椅子には、綺麗なお姉さん予備軍のお姉さんから、おや?この世代の方も?という方も。お店の人たちは、非の打ち所もない綺麗な見た目のお姉さん達だった。
順番がやってきて、別室でのカウンセリングが始まる。
と、言ってもタブレットを渡され質問事項にチェックを入れるという放置プレー。その結果を受けてカウンセリングに入るようだから仕方ない。
脱毛したい部位に、私の望む「うなじ」という項目はなく、その他の部位として集約されてた。嫌な予感がした。
でも、ここは自分のコンプレックス解消のために戦わなければならない。
流されてはいけない。
綺麗なお姉さんが個室へ入ってきてカウンセリングが開始する。
店を知ったきっかけやアレルギーはないか等、軽めの定型の質問が続く。
「脱毛したい箇所、その他ということですが…。」
きたね。
ます「はい、うなじが気になって」
綺麗なお姉さん「ちょっと見てもいいですか?あぁ…、この部分ですよね」
綺麗なお姉さん「この部分は髪の毛になるので施術できません。このテンプレートの外の部分が脱毛できる範囲になりまして…。」
私のうなじと捉えているところは髪だと?
結構、首の方だけど?
なんか綺麗なお姉さんは色々話を続けてるなって思ったけど、うなじを脱毛できないのなら、用はないのだ…。
「その他に気になる部分はありませんか?」
根本が解消されないのに、その他と言われましてもねぇ…。
私のコンプレックスがソコの毛とかココの毛とかアソコの毛なら、問題なく施術ができたのかもしれないが、できないのだから仕方がない。
では、私がなぜ「うなじの日」を迎えたかというと、大手脱毛サロン以外でうなじ脱毛できるところを見つけたから。大手が全国的というくくりなら、こちらは地域密着型。
エステも脱毛もやっているので、エステ体験で予約を入れて店の様子を探った。
担当者をWebで選べたので、経験年数の長さで選んだ。
エステ体験当日、その担当者を選んで良かったと感じた。
その担当さんのカラっとした話し方が自分に合っていた。
そしてエステの終盤、うなじ脱毛を希望していることを伝えた。
髪をかき上げ、剃ったうなじを見せ、ここだと示したら、
「(脱毛)できますよー」と明るく答えてくれた。
「ヒゲ脱毛で通ってた男性もいましたし。」
ヒゲをなくしたい、薄くしたいって男性もいるんですね。
そしてうなじ脱毛の予約を入れた。
そのサロンのうなじ脱毛は光脱毛。
施術部分は前日自己処理しておく。(剃っておく)
当日はベットにうつ伏せになり、ジェルを塗り、光脱毛の機械でピピピピと機械を滑らせるだけ。痛くも痒くも無い。
4週間の間を空けて光脱毛を繰り返す。
途中から機械が変わったとかで間が2週間でよくなったらしく、ペースを上げて綺麗なお姉さん目指していく。(当社比)
首にまとわりつく耳の下のあたりの毛は、通ううちに柔らかくなり、勢いを失っていった。
6回の脱毛を終えたが、もうすこしなんとかしたい「うなじ部分」は、まだいい勢いで生えてきていた。
この先も脱毛を続けるか?
それともやめるか否か。
継続してもいい、そう思ってた矢先
担当の彼女が言った。
「その部分は髪の毛になるので伸ばしましょう」
その一言は言わないで欲しかった。
しかしやったことは無駄ではなく、私は今、うなじの「髪の毛」を伸ばしている真っ最中だ。以前より、首まわりにまとわりつく耳の下あたりの毛が黒々と生えることはなくなった。
私はコンプレックスと向き合ったことで、以前より確実に自信を持てるようになった。
たとえ本来私がうなじだと思っていて、なくしたいと思った毛が髪の毛であって伸ばすことになったとしても。