泳ぐように生きていこう

 函館はこの冬記録的大雪で、一晩の降雪がひどかった日には、会社がお休みになったところもあるようだ。

 私の職場はそんな粋な計いはないはもちろんない。わかっているので、朝50cmくらい車に積もった雪を見て、顔も洗わず防寒着を羽織り、とにかく車が出せるように雪かきをし、化粧もせずに日の昇る前に出勤したのだ。

 

 その日の雪は函館の中でも地域によってかなり降り方に差があったようで、職場が近づくにつれ、積雪は少なくなっていた。出勤してきた職場のみんなは、それぞれの住む地域がどれだけ雪が降っていて大変だったかという話になった。

「一晩で太ももの高さまで積もった。」「周りの車が埋まって動けなかったけれど、自分も出勤しなければいけないので、泣く泣く助けてあげられなかった。」車で通勤する人が多いので、これだけの大雪だと出勤も一苦労。みんな朝からお疲れモードだった。

 

 そんな中、函館山のふもとに住む人が、雪で車が埋まってしまいそうな中、車でなんとか出勤してきた状況を「泳ぐようにして運転してきた」と表現した。

 

 それを聞いて、カッコイイと感じた。

 「大変だーしんどいわーという」状況が一瞬にして「高波を乗りこえてきた」ようなイメージに変化した気がしたから。

 雪にハンドルを取られて、ぐわんぐわん揺られ、酔いそうになるような状態だったかもしれない。でも目に浮かんだのは「泳ぐ」という行為のビジュアルの美しさや力強さだった。

 

 雪道の運転を表現した言葉だったが、もしも、これが人生に置き換えたなら?

 

 荒波があるかもしれないし、泳ぎ疲れることもあるかもしれない。その時は必死だろう。でも波の穏やかな時には悠々と心地よく泳ぐ。

 やはり、泳ぐというのは本人は大変なこともあるかもしれないが、それを違う他からの視点から見たとしたら輝いているイメージを抱く。思考が現実になるという説もあるから

「泳ぐように生きる」

 そんなイメージを持って日々を過ごしていこう。

 

 

 ちなみに私、カナヅチだけど。