黒い魚

泳ぐ魚達

群れをなし

誰かが進むとそれに続く

誰かが向きを変えるとそれに続く

 

大きな敵には立ち向かわず

皆、我先にと、するりと逸れる

なんとか逃れられたと思ったが

背びれをやられたらしい

 

思うように泳げず

力も尽きてきた

 

視界に入った海の上

月の光が射していて

皆はぐるりと光を反射して泳いでた

私は光も届かぬ黒い海に沈むのだろう

 

夜の海を眺めながら

黒い液体を身体に流し込む

 

明日もまた落ちそうになる心を保つ為

平静を装い

必死に生きるのだろう